ニール通りとタンジョンパガー通りの角に立つ小さなドームの乗った建物は昔は人力車のデポだった場所。なので近くのダクストン界隈はアヘン窟や売春宿があふれていたと言う。
日本から上海を経由してシンガポールに入って来た人力車。このデポは1903年に建てられ、1947年にシンガポールで人力車が禁止されて以来、建物は商業目的で再利用され、1987年にタンジョンパガー保護区となった場所。確かオーナーがジャッキーチチェーンだったと思う。
私達がシンガポールに越してきた2020年はMRTの工事と合わせて、かつてのデポも工事中で、何が出来るんだろうと楽しみにしていた場所。
昨年レストランがオープンしたと聞いて行きたいなぁ~とずーっと思っていた。オープン当初は予約もなかなかに難しかったけれど、最近は落ち着いたみたいで、アニバーサリーのディナーで利用した。
シェフZor Tan氏によるコンテンポラリー料理で、オープンから間もなくミシュランの星が一つ付いた。
エントランス近くにはラウンジスペースがあって、奥にキッチンを囲む様にコの字型のカウンター。
カップルで来ている人たちはカウンター。グループはテーブル席に案内されていた様に思う。
4種のアミューズブシュに9コースの始まり!
アミューズ最初はひな鳥の顔みたいな球体。パイナップルにリコリス、チリの入った冷製スープで、ポンと口に放り込んでいただく。
二つ目は薄くスライスしたラディッシュの下には牛タンが隠れていて、
三つめはホタテに桜エビが乗っていた。
蒸籠の下にはローズマリーなどのハーブがスモークされ、その上にはキャラメル色したチキンウィング。小さなポテトクラッカーにはキャビア。
最近はアミューズだけでもいいと思えるほどなんだけど、これからが本番!
1.花形のスイカとラディッシュのスライスの下にはカンパチが隠れていて、ソースの味が何だか松前漬け食べている気分だった。
2.マッドクラブの身にはスモーキーなオランデーズソース。アスパラガスの頭部分が別皿。
3.一見するとたこ焼きみたいな品はオイスターの入った揚げパオ。
4.ナマコにフォアグラ、メイプルなどが入った濃厚なソース。アツアツのプリオッシュをソースに付けながら頂く。
5.アンコウにチキンスープ
6.ナマコにコシヒカリのソース生栗添え。
7.薄くスライスしたイカにコンソメスープ。
8.ピジョンの胸肉のステーキと脚。
ポーズで燕の巣。エルダーフラワーのあっさりした味で胃の中がストンと落ちた気がした。
予めアニバーサリーだと伝えておいたら、小さなプレートをサービスで。
9.デザートは目の前で仕上げをしてくれる。サツマイモのピュレやアイス。細工の美しいクッキーが目を引く。
〆のコーヒーのお供にプティフール4種。
一品一品どれも小さいけれど、最後にはお腹が一杯に!
全体を通して美味しい料理だけれど、目新しいというか、ワオ感はなかったように思う。
個人的にシンガポールの歴史ある建物の中で頂くお料理という事で少し期待しすぎていたのかもしれないなぁ・・・・・・・・・
内装などはゴージャスだし、シェフは勿論スタッフの皆さんは色々気を使って下さるし、オープンキッチンなので、料理している姿が間近で見られるのも面白い。
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