シンガポールに越してきて間もない頃、この店の前をチラッと通り過ぎた時、インパクト大な半円形のエンパナーダを半分に割った様な形の看板に、へ~~~シンガポールでもエンパナーダのお店があるんだ~なんて勝手に思っていた。
アルゼンチンタンゴを踊る場所をミロンガと呼ぶのだけど、東京で毎週の様にタンゴを踊っていた頃、そのミロンガでパーティーなどがあるとアルゼンチン人達が良くエンパナーダを作ってくれたのだ。そんな事を思い出してちょっと懐かしい気持ちになった・・・・
アルゼンチンのエンパナーダはスペインとかポルトガルから南米に伝わった食べ物だけど、中の具材はミンチ肉とか色々で出来立てはサクサクとして美味しい。
そして、ずーっとこの看板がエンパナーダと思っていたのに、昨年カトンで見かけたカレーパフと言う食べ物。
店に並んでいたカレーパフはこれと全く同じで、私がずーっとエンパナーダだと思い込んでいた看板はカレーパフだったのだと、この時やっと理解したのだった。
その時初めてカレーパフを食べたのだけど、よく見ると、ピコンとおへそが飛び出た以外、外観はエンパナーダ、でも味は丸っきりサモサだった。
ググってみたら、ウィキペディアには、以下の様に書いてあった。
※エンパナーダは、ウマイヤ朝のイベリア半島支配時代にスペインとポルトガルに普及した塩味のペイストリー「muaajanat」が起源との説がある。特に半円形の「sanbusak」は、インドの揚げ料理サモサの原型でもある。
それを読んで、みんな何処かで繋がっているのね~と妙に納得。
それから月日が経ち、随分と食べていなかったカレーパフをあの看板の店で食べてみようと思い立ったいつかの週末の朝。
レトロな佇まいのオールドチャンキーはミロンガも開ける位の割と広いスペース。
Benoitはカレーパンにアイスコーヒー。私はコピに定番のカレーパフ。
ジャガイモがゴロゴロ入ったカレーはそんなに辛くない。
生温い風が吹く店内で出来立ての美味しいカレーパフをかじりながら、エンパナーダを想い、足元のビーチサンダルを見おろして、とてもじゃないけど、もう10㎝のピンヒールなんか履いて踊れない懐かしのアルゼンチンタンゴを想ったのだった・・・
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